レゴで"レスポール スタンダード"を作りました
今回はレゴで実物大エレキギターを作りました。
Gibson社のレスポールというギターから、「Les Paul Standard」です。
重量級ボディが特徴のパワフルなギターで、愛好家も非常に多い定番の1本です。
今回は8月の「第1回京都ブリックフェスティバル」(現在は延期確定)に向けて、京都アニメーションの代表作のひとつ、「けいおん!」シリーズに関連する作品として制作しました。
劇中では、主人公 平沢唯の愛用モデルとして「ギー太」の愛称で大活躍します。約30万円程の高価な楽器ですが、放送当時は爆発的に売れていたのが印象的でした。
今回、京都アニメーションゆかりの会場での展示を楽しみにしていましたが、残念ながら開催は延期となってしまいました。またどこかでお披露目したいと思います。
では各部を見ていきます。
本当はポッチを出してレゴ感の強い仕上がりにするつもりで組み始めたのですが、だんだんギターに似てくるうちにタイルで埋めたい欲が出てしまい、気が付いたらこの形になっていました。ボディのふちがカクカクなのがその名残です。
分厚さもほぼ実物と同じです。
メイプルの部分が赤でマホガニーの部分が濃赤に色分けしました。
メイプル材は特徴的な杢のデザイン性と、マホガニーが苦手とする音の立ち上がりを良くするために使われるようです。
指板はローズウッドでどちらかというと焦げ茶のような色味ですが、今回はパッと見の印象で黒にしました。
インレイはトランスクリアと迷いましたが、下地が黒なのでメタリックシルバーで組んでいます。
裏面はこんな感じで非常にシンプルです。
ネック部分は側面に2×2カーブスロープ、背面に2×2逆カーブスロープを使い、ギターらしい傾斜を出すように意識しました。
エレキギターにしては少し厚いのが欠点ですが、見た目はそれなりになったかなと思います。
今回苦心したのがこのヘッド部分です。
どうしても本物のギターのようにペグを回して弦を巻けるようにしたかったので、一部塗り分けを諦めたり、強度を出すために裏面の構造をを実物と若干変えたりと、犠牲にした部分がいくつかあります。
「Les Paul」や「Gibson」の文字も、僕の力量ではごちゃつきそうだったので省略しました。
白フチがなく黒一色なので分かりづらいですが、トラスロッドカバーも作ってあります。
レゴのウォームギアの溝が実物と逆なので、ペグの回転も逆になってしまいますが、実際のギターと同じ原理で弦を張ることができます。
レスポールは弦長が他社より短いので、張力を確保するためにヘッドに角度がついています。今回はアングルコネクタの3番を2本ヘッドに埋め込んで角度を付け、弦の張力でボディ側に引っ張ることで遊びを潰してガタつきをなくしています。
次は制作過程を載せていきます。
今回は実物大ということで、実際の図面を用意しスケールを合わせながら作っていきました。
4本のテクニックビームを束ねて芯にし、ロの字のビームで大まかな土台を作っていきます。
フレットを打ちます。
間隔はヘッド側へ行くほど広く、ボディ側へ行くほど狭くなるので、これが逆転することがないように気をつけて場所を決めていきます。
インレイを埋め込みます。
これが演奏中のフレットの目印になります。
指板の完成です。
次はボディにとりかかります。
まずはプレートを貼って大まかなサイズ感や小物の配置を確認します。
一度プレートを外し、ボディの骨組みを整頓してから本組みを始めます。
エッジの白ラインを出すためにまずは白プレートを貼ります。
裏面にもフチにブロックを追加していきます。
この時はまだ背面も赤で組んでいました。
白プレートが貼れたら、次は赤で層を作ります。
図面を確認しながらボディの小物のアタリを付けます。
とここで、ネックの裏面をなぜかタンだと思い込んでいたことに気付き、ダークレッドで作り直しに。
せっかくなので、カーブスロープでギターらしく作ることにしました。
あわせてここでボディ背面もダークレッドに軌道修正。
イエロー系とオレンジ系のタイルをざっくりと並べて、特徴的なチェリーサンバーストを表現するための配置を考えます。
実際にタイルを貼りつつ、同時にピックアップやブリッジなどの小物も作っていきます。
裏面は大型のブロックで厚みと強度を出していきます。
タイル貼りが完了しました。
ピックガードも横組みに変更して、全体的にポッチを隠す方向でまとめます。
ヘッドのギミックの試作です。
色以外はほぼ変更なしでそのままこれが埋め込まれています。
少し太めのレゴ純正の糸で弦を作ります。
端に1×1穴あきラウンドプレートを結んで、テールピースのペグ穴に通して引っ掛けます。この構造は実際のエレキギターとほぼ同じです。
ヘッド側はテクニックブッシュのスリットに紐を挿し、そのまま巻き上げて弦を張ります。これも実際のギターとほぼ同じ仕組みです。
6本張ってテンションを調節すれば完成です。
残念ながら演奏はできませんが、サイズ感はかなり本物に近く、手に持っているだけで楽しくなってしまいます。
もし今後イベントなどで見かけた際は、ぜひ一度触ってみて下さい。